壺齋散人の 美術批評
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地獄:死後の世界



この絵においても、地獄は劫火と洪水とでイメージされている。日本の地獄には洪水は殆ど出てこないが、ヨーロッパの絵画ではつきもののようである。

地獄に落ちた人々は、洪水に呑み込まれておぼれたり、魔物によって苛まれたりしている。日本の地獄篇では、劫火によって焼かれ、火だるまになるのが普通だが、この絵では火だるまになっている姿の代わりに、水に溺れてもがいている人のイメージが強烈だ。

魔物たちは、蛙やモグラやドブネズミの化け物の姿をしている。

(パネルに油彩、87×40cm、ヴェネチア、ドゥカーレ宮殿)





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