ポール・セザンヌ 現代絵画の祖 |
| ポール・セザンヌ（Paul Cézanne 1839-1906）は、現代絵画の父とか祖とか呼ばれる。もともと印象派と行動を共にしていたが、40歳ごろから独自の画風を切り開き、それが現代絵画の先駆者と呼ばれる画家たちに大きな影響を与えた。ピカソ、ブラック、マティスといったまさに現代絵画を切り開いた画家たちは、セザンヌから大きなインスピレーションを受けて、自己の画風を確立していったのである。 |
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セザンヌが画家としての名声を得るのは最晩年になってからだ。かれは67歳で死んでいるので、決して長命とはいえないが、その彼が世間の注目を浴びるようになったのは、60歳を過ぎたころのことであった。1900年の万国博に併せて開催された「フランス絵画100年展」へ出品した作品が評価されてから、かれの絵は次第に世間の注目を集めるようになったのである。それまで画家として鳴かず飛ばずの人生を送ってきたことは、セザンヌとゾラの友情を描いた映画「セザンヌとともに過ごした日々」にあるとおりである。 セザンヌの画風は、何度かの変遷を示している。当初はロマン主義風の暗い画面の絵が多かった。1870年代には、印象派の画家達と深いつながりをもち、印象派風の明るい画面作りに変化した。じっさいかれは、ピサロとは青年時代からの付き合いだし、ルノワールやモネといった印象派の中心画家とも行き来していた。1970年代の絵には、いかにも印象派風といった光を意識した作品が多い。 しかし、1880年代以降は、印象派の影響を脱して、独自の画面つくりに転換した。今日セザンヌ風といわれる画風を確立するのは、1880年代半ば以降のことである。1880年代以降のセザンヌは、パリの画壇とは付き合いをたち、故郷エクス・アン・プロヴァンスに引きこもって、孤独な制作に没頭した。そんなかれの存在を最初に高く評価したのは画商のアンブロワーズ・ヴォラールである。ヴォラールはセザンヌの絵を100点以上集め、それをパリで個展というかたちで世間に紹介したが、評判はいまいちだった。セザンヌのあまりにも伝統から逸脱した画風がなかなか世間の理解を得られなかったのである。 ヴォラールがセザンヌの第一回目の個展を開いたのは1895年のことだが、三年後の1898年には第二回目の個展を開催し、また1899年のアンデパンダン展にセザンヌ自ら出品するなどして、次第に世間の耳目を集めるようになった。そのうえで、1900年のパリ万博に併せて催された「フランス絵画100年展」での成功を迎えたのである。 セザンヌの名声を世界的なものにしたのは、かれの死後1907年にパリで催されたセザンヌ回顧展である。これには56点が出品されたが、いづれもつぶぞろいで、若い画家たちに決定的な影響を与えた。その影響を受けた形で、フォーヴィズムやキュビズムといった現代絵画の潮流が生まれてきたのである。それゆえセザンヌを現代絵画の父とか祖とかいうわけである。ここではセザンヌを「現代絵画の祖」と言っておきたい。 セザンヌは、画家としてはめずらしく、自己の芸術観を雄弁に語っている。その言葉からは、セザンヌが絵画を、単に自然界の対象の再現とのみ考えるのではなく、自分なりの視点から世界を解釈しなおした結果だという主張が伝わってくる。そういうセザンヌの芸術観が、フォーヴィズムズムやキュビズムを経て、現代絵画の精神というべきものにつながっているのである。 ここでは、そんなセザンヌの業績のうち、静物画をのぞく分野のうちで代表的な作品を取り上げて鑑賞・解説したい。晩年の作品が中心となるが、セザンヌの画風の変遷を知るという意味で、初期の作品や印象派風の作品も一部紹介したい。 アシル・アンプレール セザンヌの肖像画 モデルヌ・オランピア セザンヌの印象派作品 草上の昼食 セザンヌの印象派風絵画 ポントワーズのクルーヴルの水車小屋 セザンヌの風景画 レスタック セザンヌの風景画 レスタックから見たマルセーユ湾 セザンヌの風絵画 モン・サント・ヴィクトワールとアルク川渓谷の高架橋 セザンヌの風景画 マルディ・グラ セザンヌの風俗画 赤いドレスのセザンヌ夫人 オルタンス・フィケ 赤いヴェストの少年 セザンヌの肖像画 プロヴァンスの家 セザンヌの風景画 サン・ヴィクトワール山 セザンヌの風景画 カード遊びをする人々 セザンヌの人物画 カード遊びをする人々その二 セザンヌの人物画 パイプをくわえた男 セザンヌの人物画 メゾン・マリア セザンヌの風景画 アヌシー湖 セザンヌの風景画 アンブロワーズ・ヴォラールの肖像 セザンヌの肖像画 水浴する女たち セザンヌ 頭蓋骨のピラミッド セザンヌの静物画 森 セザンヌの風景画 青い服を着た女性の肖像 セザンヌの肖像画 サント・ヴィクトワール山 セザンヌの風景画 水浴者たち セザンヌの人物画 大水浴者たち セザンヌの人物画 |
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