壺齋散人の美術批評
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マルディ・グラ セザンヌの風俗画




マルディ・グラ(Mardi gras)と題されたこの絵は、副題に「ピエロとアルルカン」とあるように、コメーディア・デ・ラルテのキャラクターをモチーフにしたもの。マルディ・グラは謝肉祭に関連する行事で、「肥沃な火曜日」を意味する。その行事の一環として、コメーディア・デ・ラルテのキャラクターが動員された。いまでいえば、さしずめディズニーランドのミッキーマウスのようなものであろう。

左手の白い衣装がピエロ、右手の市松模様がアルルカン。衣装はキャラクターの一部として決まっていた。アルルカンは、アクロバティックな演技をし、ピエロは言葉で人を笑わす。この絵からも、そうしたキャラクターの雰囲気が伝わってくる。

ロシア人シチューキンのコレクションだったものが、10月革命時にボリシェビキに接収され、国立美術館に移管された。

(1888-1890 カンバスに油彩 102×81㎝ モスクワ、プーシキン美術館)



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