壺齋散人の美術批評
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カード遊びをする人々その二 セザンヌの人物画




セザンヌの「カード遊びをする人々」のシリーズのうち、これは第二のバージョンと呼ばれているもの。第一のバージョンでは五人の人物を配していたが、これはそのうち少年をのぞいて四人の男が描かれている。四人の男たちは、前作よりも狭い範囲に配されている。また、カードをいじる三人の男たちが、画面の中心付近に配されているので、構図的には安定感が増している。

前作と比較するといくつか相違点がある。壁にかかっていた額とか棚が省かれているし、テーブルの上もすっきりとしている。そのテーブルは幅が狭くなっていて、その分三人が近づいて見える。前作と同じなのは、右手のカーテンと、その左側の壁にかかっているパイプだ。

色彩的には、前作よりも地味になっており、青が主体の寒色でまとめられている。

(1890-1892 カンバスに油彩 65.4×81.9㎝ ニューヨーク、メトロポリタン美術館)



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