壺齋散人の 美術批評
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自画像:ゴッホの自画像23




この絵は、1889年9月6日付の弟テオ宛の手紙の中で触れられた二枚の自画像の内の一枚である。続いて9月20日付のテオあての手紙では、この絵を君に送ろうと書いている。たぶん送ったのだろうと思われる。(ゴッホの死後、テオはこの絵を、兄がお世話になったガッシェ医師に送っている)

20日付の手紙の中で、ゴッホは自分の表情は大分落ち着きを取り戻してきたが、まだ幾分ぼーっとしたところが残っていると書いている。いずれにせよ、もう一枚の絵に比べれば表情はずっと穏やかである。

明るい背景が渦巻きのように見えるのは、この時期に描かれた風景画(糸杉や星月夜の絵)の、空の模様と共通するところがある。ゴッホの自画像の中でも最も有名になった一枚だ。

(1889年9月、キャンバスに油彩、65×54cm、パリ、オルセー美術館)





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