壺齋散人の 美術批評
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ゴッホの最後の自画像




ゴッホは、1889年9月28日付の弟テオ宛の手紙の中で、母親の誕生日祝いに自画像を贈ってあげたいと書いた。その自画像がこれだと思われる。この後ゴッホが自画像を描いた形跡はないから、これが最後の自画像と言うことになる。

結局ゴッホは、この月のうちに三枚もの自画像を描いたわけである。どの自画像も顔の右半分を示しているのは、切り取ってしまった左耳を見られたくないからだろう。髭を剃っているのは、母親に向かって子供らしい自分をアピールしているのかもしれない。

この絵は、1998年11月にクリスティーズの競売にかけられ、約85億円で落札された。

(1889年9月、キャンバスに油彩、40×31cm、個人蔵)





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