壺齋散人の美術批評
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編み上げ髪の自画像 フリーダ・カーロの世界




フリーダ・カーロは、1940年の12月にディエゴ・ロベラと再婚した。離婚してから一年後のことだ。再婚にあたってフリーダは二つの条件をつけた。もうセックスはしないこと、経済的に自立するために創作を続けることを認めること、だ。彼女はすでに有名になっていたので、絵が売れるあてはあった。彼女がこの時期に最も多く描いたのは自画像だ。多少趣向を変えて、多くの自画像を描いた。

「編み上げ髪の自画像(Autorretrato con trenza)」と題されたこの絵は、そうした自画像群の一つ。フリーダは、植物の大きな葉を身にまとい、メキシコ伝統の首飾りをつけて、われわれの方を凝視している。もっとも気を引くのは、頭の上に乗せている髷だ。地毛の部分と色が違うので、独立したアイテムのように見える。

ディエゴと離婚した当初は、彼女は自分の女性らしさを嫌悪して、女性らしさのシンボルである髪を切り落とした絵を描いたりしていた。それがこの作品では反転して、女性らしさを積極的にアピールしている。

(1941年 メソナイトに油彩 51×38.5㎝ メキシコシティ、プライベート。コレクション)



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