壺齋散人の 美術批評
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天使の岩(der Fels der Engel):クレーの天使




馬の形になった天使の上に二人の天使が乗り、その上にさらに一人の天使が乗っている。全体として三角形をなしているその形が岩に似ているというので、天使の岩(der Fels der Engel)と題したのだろうか。

一番下の、馬形の一人の天使のかわりに、三人の天使を入れたら、人間たちの組み立て体操と同じ形になる。

しかし、組み立て体操とは違うところもある。中間の天使はおとなしくしていないで、まるで翼を広げて動いているようなので、これではその上に天使が乗っかることは難しい。その証拠に、この絵の中の一番上の天使は、下の天使の上に乗っているというより、彼らの頭上に浮かんでいるように見える。この天使は、ただ浮かんでいるだけではなく、天上に向かって飛んで行こうとしているようにも見える。





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