壺齋散人の 美術批評
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哀れな天使(armer Engel)クレーの天使



「哀れな天使(armer Engel)」と題されたこの絵は、紙をベースにして、水彩絵の具とテンペラ絵の具を組み合わせて描いたもの、絵の具の使い方を工夫することで、ぼかしや浸透など独特の効果を出している。

「星の天使」とは異なり、一つ一つの線ははっきりと引かれ、線で囲まれたそれぞれの区画に、明瞭な色彩が施されている。

天使の顔は横を向いているのだろう。その天使の横顔がなにがしか悲しそうに見えるのは、この絵の題名「哀れな天使」が、そう連想させるからか。背中の二枚の羽根の描き方に工夫がある。向こう側の羽根を暗く描くことで、遠近感を演出している。





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