壺齋散人の美術批評 |
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少女と子豚 ゲインズバラの風景画 |
「少女と子豚(Girl with Pigs)」と題されたこの絵は、人物をフィーチャーしたゲインズバラの風景画の傑作。ジョシュア・レイノルズはこの絵を、ゲインズバラの最高傑作と称した。人物を風景の添え物にしたゲインズバラの数多くの作品のなかで、この絵は少女とともに三匹の子豚を配しているところが特徴である。これらの子豚がいるおかげで、画面に躍動感と温かさが加わっている。 背景になる風景は、平坦な地形からして、サフォークだと思われる。平坦な背景に変化をもたらすのは、樹木である。遠景には繁茂した樹木の塊があり、前景には独立した樹木がある。少女が背にしているのが何かはわからぬが、岩のようにも見える。 三匹の子豚のうち二匹が、皿からミルクをすすっている。その様子を少女が眺めている。少女の表情はのどかなものだ。なおゲインズバラは、同じ構図の水彩画も描いており、さらに少女と子豚を大きな背景の中で描いてもいる。 (1781-1782年 カンバスに油彩 個人蔵) |
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