壺齋散人の美術批評
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羊飼いのいる海景 ゲインズバラの風景画




「羊飼いのいる海景(Coastal Landscape with a Shepherd and His Flock)」と題されたこの絵は、タイトルどおり、海岸をバックにして、羊飼いとかれが率いる羊の群れを描いた作品。海はおそらくサフォークの海岸だと思われる。海上には帆を上げたヨットと小舟が浮かんでいる。

ぬかるんだ道に羊飼いの男がたたずみ、その傍らには番犬が控えている。羊たちはそれぞれ思い思いの方向を向いているので、移動しているというよりは、休憩しているのだと思われる。

海景といいながら、鬱蒼とした樹木をアクセントにしており、また水際もグリーンで塗られるなど、グリーンを強調している。雲の描き方は、ゲインズバラらしく積乱雲タッチである。

(1783-1784年 カンバスに油彩 63.5×76.2㎝ アメリカ、イエール大学)



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