壺齋散人の 美術批評
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ラッパを吹く天使たち:ミケランジェロ「最後の審判」




最後の審判あるいは世界終末の日に当たって、天使たちがラッパを吹いて合図をしたという記事は、福音書と「ヨハネの黙示録」の双方にある。このうち黙示録の記事にある七人の天使の吹くラッパがより知られているが、ミケランジェロがこの絵の中で示したイメージは、福音書に依拠しているように思える。その部分についてマタイ伝は、つぎのように記している。

「24:30そのとき、人の子のしるしが天に現れるであろう。またそのとき、地のすべての民族は嘆き、そして力と大いなる栄光とをもって、人の子が天の雲に乗って来るのを、人々は見るであろう。 24:31また、彼は大いなるラッパの音と共に御使たちをつかわして、天のはてからはてに至るまで、四方からその選民を呼び集めるであろう」(口語訳聖書)

この絵には、雲に乗って表れた天使たちが11人描かれている。そのうちラッパを持っている天使は8人である。前面にいる残りの3人は書物を抱えているが、それはキリストによって召還された人々の名を記した名簿かもしれない。



これは天使の吹くラッパを拡大したところ。その長細い形状は、今日のトランペットとはかなり異なっている。





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