壺齋散人の 美術批評
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預言者ヨエル:ミケランジェロ「システィナ礼拝堂天井画」




「ヨエル書」は、十二編からなる小預言書の二番目に位置するものである。時代背景についての記述がないに等しいので、いつの時代に書かれたのか厳密なことがわからない。バビロン捕囚以前に書かれたという説や、もっと新しい時代のものだとする説が入り混じっている。

にもかかわらずミケランジェロが、旧約聖書を彩る大預言者たちとならんで、わざわざヨエルを取り上げたのはどういうわけか。

「ヨエル書」は非常に短い文章で、いなごの大群の襲来や主の日といわれる神の裁きの日についての記述が主な内容だ。いなごの大群を巨大な災厄に、主の日の到来を最後の審判に結び付けて解釈されることもある。

最後の審判について語ったものとしては「黙示録」があげられるが、黙示録の記述には「ヨエル書」の影響が認められるという指摘もある。

ミケランジェロが描いたヨエルは、巻物を手にとって読んでいる。この巻物にはおそらくヨエルの予言の内容が書かれているのだと思われる。



これは、ヨエル像の背景に描かれた男女一対のプット。





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