壺齋散人の 美術批評
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モディリアーニの自画像




モディリアーニは、頼まれればどんな人の肖像画も描いてやったが、自画像を描くことはほとんどなかった。この自画像は、1919年に、死の近いことを予期して描いたのだと思われる。

モディリアーニは子供の頃から病気がちで、結核の持病をもっていた。そのために36歳の若さで死んだわけだが、晩年には病気の進行に苦しみ、すっかり痩せこけてしまったという。この絵の中のモディリアーニも、痩せ細って弱々しい印象に描かれている。

モディリアーニはこの絵を、妻のジャンヌや幼い娘のために、形見として残してやったのかもしれない。

(1919年、キャンバスに油彩、100×64.5cm、サンパウロ、現代美術館)





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