壺齋散人の 美術批評 |
HOME|ブログ本館|東京を描く|水彩画|ブレイク詩集|フランス文学|西洋哲学 | 万葉集|プロフィール|BBS |
海辺の母と子:ピカソ、子どもを描く |
1921年に描かれた9点の母子像のうち最も有名なのがこの作品「海辺の母と子(Femme et enfant au bord de la mer )」である。 この絵の中の母親もローマ風の衣装をまとい、裸の赤ん坊を膝の上に乗せて、のびのびと遊ばせている。母親が画面いっぱいに描かれていることもあって、はち切れそうな躍動感を伴っている。 なお、この絵の中の女性オルガ・コクローヴァはロシア将軍の娘で、貴族の血を引くと言われる人だが、ピカソはこの女性と1917年に結婚した。その年に描かれた「肘掛椅子に座るオルガ」の中の彼女は、端正な顔とスマートな体つきを感じさせるが、この絵では、極端にデフォルメされて、端正な美女というよりは、アマゾネスのような逞しさを感じさせる。 (1921年、キャンバスに油彩、143×162cm、シカゴ美術館) |
|
HOME|ピカソ子どもを描く|次へ |
作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2011-2014 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |