壺齋散人の 美術批評
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フランソワーズ、クロード、パロマ:ピカソ、子どもを描く




ピカソがフランソワーズと二人の子供を描く時には、だいたい二人の子供は遊んでいることが多い。そんななかで、母子が記念写真に納まるように、ポーズをとっているこの作品「フランソワーズ、クロード、パロマ(Françoise, Claude, Paloma)」は、珍しい一枚だ。

二人の子供を従えたフランソワーズの姿勢は正面を向いているはずなのに、顔は何故か横向きで、しかも仮面をかぶっているように見える。パロマを抱いているほうの手にはオレンジをもっているが、このオレンジがどんな意味を持たされているのかはわからない。ただの飾りなのかも知れない。

この絵が描かれた時、クロードの方は4歳、パロマは2歳だった。クロードは、母親に寄り添うようにして自分の足で立っているが、パロマの方は母親の腕に抱かれている。二人とも大きな目が印象的だ。

(1951年、板に油彩、92.0×73.0cm、個人蔵)





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