壺齋散人の 美術批評 |
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怠惰:ブリューゲル「七つの大罪シリーズ」 |
中央にはロバにもたれて居眠りをする女性が描かれている。ロバは怠惰の象徴である、その女性に、怪物が枕を差し出している、枕もまた怠惰のシンボルだ、背後の小屋の中でうつらうつらしている裸の女性にも、怪物が枕を差し出している。 そのほか画面には怠惰な人間たちの姿がちりばめられている。ベッドに寝たまま、人の力で移動するもの、ぼんやりと川面を見ているもの、他人に排泄のしりぬぐいをさせているものなどである。 一方、怠惰な人間への罰も描かれている。左手中景には卵の中に入った人間が蒸し焼きのようにされているが、かれはやがて川の中に突き落とされるだろう。右手上方の木の上では男がベルをたたいているが、その男の視線の先には11時の時刻をさしている時計がある、あと一時間で最後の審判がやってくると知らせているのだ。 |
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作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2011 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |