壺齋散人の 美術批評 |
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鳥罠のある冬景色:ブリューゲルの世界 |
画面の左手には氷の張った川でスケートを楽しむ人々が描かれ、右手の大木の下には戸板で仕掛けた罠の周りを鳥たちが無心で飛び跳ねている。鳥が危険にさらされているのは明らかだが、人間だって危険でないわけではない、いつ氷が割れるかもしれないからだ、とブリューゲルはいっているようにも聞こえる。 ブリューゲルの絵は教訓じみて解釈されることが多いのだが、この絵は特にそうだ。そうした教訓論者は、ブリューゲルは人間も鳥も大差はないということを強調するために、鳥と人間をほぼ同じ大きさで描いたと主張する。 人間と同じ大きさに描かれている鳥たちは、カササギだろう。 (1565年、板に油彩、38×56cm、イギリス・ウィルトン・ハウス) |
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作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2011 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |