壺齋散人の 美術批評 |
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農夫と鳥の巣取り:ブリューゲルの世界 |
一見のどかな農村風景をえがいたこの絵は、ネーデルラントの諺、「鳥の巣がどこにあるかを知っているものは知識を持つが、それを取るものは巣を持つ」を形象化したのだと解釈されている。 この解釈によれば、木によじ登って鳥の巣を盗もうとしている男の方が利口で、それを見逃し通り過ぎる男は賢くないということになる。 賢くない方の男が、人さし指を突き出しているのは、鳥の巣泥棒を非難していると解釈できなくはないが、じつはこれは、レオナルド・ダ・ヴィンチの傑作「洗礼者聖ヨハネ」のパロディだという解釈もある。 それによれば、ブリューゲルはこの絵を通じて、自分のイタリア絵画に関する教養を見せびらかしたのだ、ということになる。 (1568年、板に油彩、59×68cm、ウィーン美術館) |
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作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2011 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |