壺齋散人の 美術批評
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ウェヌス:クラナッハの官能美




クラナッハは、キューピッドを伴ったウェヌスを沢山描いたが、単身のウェヌス像も何点か残している。その中で最も有名なのが、フランクフルトにあるこの絵だ。

なで肩、長い脚、そして小さな胸。クラナッハが理想的と考えた女性のイメージが、この絵には集中的に込められている。それが、彼の描いた女性裸体像の中でも、とりわけ有名になった理由なのだろう。

クラナッハは、顧客の依頼に基づいて絵を描くことが殆どだったとされているが、この絵にもモデルがいるのだろうと思われる。

(1532年、板に油彩とテンペラ、37.7×24.5cm、フランクフルト、シュテーデル美術館)





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