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コロー「ドゥーエーの鐘楼」:バルビゾン派の画家たち




ドゥーエーは、フランス北部のノール県にある古い町。巨人伝説で知られ、その巨人の祭りは世界的に有名だそうだ。そこに住んでいた友人アルフレド・ロボーを、コローは1971年に訪ね、しばらくそこに滞在して、「ドゥーエーの鐘楼(Le Beffroi de Douai)」を描いた。二週間で完成させたという。

丁度普仏戦争とそれに続くパリコミューンの内乱で、パリは混乱を極めていたので、コローはそれを逃れる意味で、ドゥーエーへ退避したのだと思われる。

鐘楼はドゥーエーの町のシンボルだ。これを描く老人の姿は、色々な人に目撃された。コローはこの作品に自信があったようで、パリの友人にあてた手紙の中で、その自信を披露している。

自然の風景を描き続けたコローとしては、都市のたたずまいを描いた傑作である。

(1971年 カンバスに油彩 46・5×38.5cm パリ、ルーヴル美術館)




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