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コロー「青衣の女」:バルビゾン派の画家たち




「青衣の女(La dame en bleu)」と呼ばれるこの作品は、コローの死の前年1874年に描かれたもの。「真珠の女」や「読書の中断」と並んで、コローの肖像画の傑作である。モデルはエマ・ドビーというプロのモデル。このモデルをコローは気に入って、たびたび雇ったという。

家具にもたれかかりながらたたずむ女の全身を描いている。鮮やかなブルーのドレスを着ていることから、「青衣の女」と呼ばれるようになった。壁にはカンバスが立てかけられているから、コローのアトリエだとわかる。



これは上半身の部分を拡大したもの。女の表情には倦怠感があふれているように見える。そのわりには、豊満な体つきである。

(1974年 カンバスに油彩 80.0×50.5cm パリ、ルーヴル美術館)




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