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トロワイヨン「耕作に向かう牛」:バルビゾン派の人々




コンスタン・トロワイヨン(Constant Troyon 1810-1865)は、動物画家として知られる。もともと風景画家として出発し、温和で叙情的な画風が人気を集めるようになっていた。1839年からはフォンテーヌブローの森に通い、バルビゾン派の画家たちと交わった。

1847年にオランダに旅行し、ボッテルやカイプなど、迫真性のある動物画に大きな影響を受けた。トロアイヨンはもともと動物画が好きだったのだが、オランダの動物画に刺激されて、本格的な動物画を目指すようになる。以後、トロワイヨンは動物画家として名声を高めていくのである。

「耕作に向う牛(Boeufs allant au labour, effet de matin)」と題するこの作品は、トロワイヨンの動物画の代表作。リュクサンブール美術館によって購入された。

牛たちが朝日を背に浴びながら耕作に向う様子を描いている。トロワイヨンの描く動物は、生き生きと動きのあるところが特徴である。

(1855年 カンバスに油彩 262×391cm パリ、オルセー美術館)




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