壺齋散人の美術批評 |
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レスタック セザンヌの風景画 |
レスタックは、マルセーユの北西にある小さな港町。セザンヌの故郷エクス・アン・プロヴァンスから遠くない。かれはそこに普仏戦争の戦乱をさけて疎開したことがあった。ここは風景明媚なことで知られ、多くの画家がモチーフを求めて集まったという。セザンヌはこの港町を、1880年代半ばに何回か訪れ、レスタックの街や、レスタックから眺めたマルセーユの街を描いた。 レスタックと題されたこの作品は、かれが滞在していた家から眺め下ろしたレスタックの街の風景。レスタックの街は、海にむかって真北の方角にあるから。これは北側から南に向かって海を眺め下ろしていることになる。海はすなわち地中海である。地中海の喫水線がそのまま水平線になっている。 色彩配置やブラッシングに印象派からの完全な脱却を見てとることができる。セザンヌ特有の、ブラシを叩きつけるようにして絵の具を塗りたくるやりかたが、ここでも見て取れる。 (1885年 カンバスに油彩 65×81㎝ 個人像) |
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