壺齋散人の美術批評
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森 セザンヌの風景画




晩年のセザンヌは、家から少し離れた地点からサント・ヴィクトワール山を描く一方で、家の近くの森を好んで描いた。ずばり「森(Forest)」と題されたこの絵もその一つ。これは、シャトー・ノワールに向かう野道沿いの森を描いたものだ。シャトー・ノワールは、エクス・アン・プロヴァンスのセザンヌの家から遠くないところにあった。

森と空は、当然のことながらグリーンとブルーである。それだけだと寒色ばかりになるので、手前の岩や小道を明るいオレンジ系の暖色でバランスをとっている。

画面の中心に近い部分は比較的丁寧に描かれているが、周縁部はラフなブラシワークである。

(1902-1904 カンバスに油彩 81.9×66㎝ オタワ、カナダ国立美術館)



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