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さあ! デディ-ヌ:ドーミエの風俗版画




「さあ!デディ-ヌ(Eh! Didine)」と題されたこの石版画は、ドーミエとしては珍しく、男女の閨房での様子をテーマにした作品。男が女に向かってやさしく話しかけると、女はそれをセックスへの誘いの言葉と勘違いして、あらいやだわ、と答えている。

これはドーミエ自身と、当時の彼の恋人アレクサンドリーヌをモチーフにしたといわれる。当時ドーミエは34歳、アレクサンドリーヌは20歳。二人が正式に結婚するのは、この版画が作られた四年後のことである。

この作品は、シャリヴァリ紙上に発表されたが、風俗風刺を売り物にしたこの雑誌になぜドーミエが、自分自身の恋をテーマに取り上げたか、それ自体面白いテーマである。

(1842年7月 リトグラフ 25.3×22.5㎝ シャリヴァリ)



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