壺齋散人の美術批評
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ダンスのレッスン:ドガの踊り子像




「ダンスのレッスン(La Leçon de danse)」と題されたこの絵は、ダンスのレッスンの合間に一休みする少女たちを描いている。右手前の二人の少女は、脚の筋肉をほぐしたり、緊張をゆるめるために放心したりしている。画面中央で立っている少女は、和風の扇子を扇いで汗を沈めているのだろう。一方、画面の背景部分では、まさにレッスンに励んでいる少女たちが描かれている。

ドガは、これとほとんど同じような図柄の作品を二点描いている。イェール大学所蔵のものは、画面中央に一本の柱を入れ、ロンドンのナショナル・ギャラリー所蔵のものは、扇子を持つ少女を省いている。この三点のなかでは、これがもっとも完成度が高い。

この作品でも、床は傾斜して描かれている。その傾斜があるために、画面に躍動感と緊張感が生まれている。その緊張感は、手前の少女たちのくつろぎぶりとは対照的な一方、背景の少女たちとは増幅的な効果を醸し出す効果を発揮している。

(1880年 カンバスに油彩 39.4×88.4㎝ ウィリアムズ・タウン クラーク美術院)



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