壺齋散人の 美術批評 |
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マルフィーザ:ドラクロアの世界 |
「マルフィーザ(Marphise)」と題したこの絵は、イタリア・ルネサンス期の詩人アリオストの長編詩「狂乱のオルランド」に取材した作品。この長編詩は、十字軍とサラセン軍との戦いをテーマにしたもので、そこに狂乱したオルランドがからむ。オルランドが狂乱したのは失恋のせいで、その失恋をテーマにした「恋するオルランド」という詩もボイアルドによって書かれていた。「狂乱のオルランド」はその続編という体裁になっている。 この絵は、長編詩のうちの、第二十歌に取材している。女性戦士マルフィーザの物語である。マルフィーザは、ガブリーナという老女を伴って旅する途中、妾を伴った騎士ピナペルロと戦い、これを打ち負かした。そこでマルフィーザは妾の着ている物を取り上げ、それをガブリーナに与えた。その光景を再現したものが、この絵の構図である。 馬に乗っているのがマルフィーザ(前)とガブリーナ。手前の若い女が妾である。その妾が着ている物を脱いで、馬上のマルフィーザに差し出そうとしているところである。 ドラクロアは、日記のなかでマルフィーザを「尊大な女」と呼んでいる。たしかに馬上の女の表情や振舞いには尊大さが感じられる。 (1852年 カンバスに油彩 82×101cm ボルティモア、ウォルターズ・アート・ギャラリー) |
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