壺齋散人の 美術批評
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厳格様式のポセイドン像:ギリシャ美術




紀元前六世紀末から同五世紀半ば頃までは、アルカイック美術からクラシック美術への過渡期として、厳格様式の時代とされている。この様式の特徴は、アルカイックの微笑が消えて、男女ともに、重々しい威厳を感じさせる作風になったことである。その威厳を以て厳格様式といったわけであろう。

このポセイドン像は、厳格様式の代表作といわれる。アルテミシオンの海中から発見された。この海域は、ギリシャがペルシャと海戦を繰り広げた所で、ギリシャはペルシャに勝利した。その勝利を記念して、ギリシャ人が海の神ポセイドンに奉納したのだとされる。

このポセイドン像は、筋骨隆々とした肉体を誇り、両腕を大きく広げて、敵に立ち向かう仕草をしている。その姿は、ペルシャ軍と戦ったギリシャ人たちの勇気を表現しているともいえる。



これは、ポセイドンの表情を拡大したもの。アルカイックな微笑は消え、重々しい威厳が感じられる。(紀元前470年ごろ、アテネ国立博物館蔵)




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