壺齋散人の 美術批評
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パルテノン神殿とクラシック美術




ギリシャは、紀元前449年にペルシャとの長い戦争に最終的に勝って、アテネを中心にして、黄金時代というべき時期に入った。その時期のアテネをリードした政治家が、有名なペリクレスである。ペリクレスは、パルテノン神殿の再興など、美術の興隆にも貢献した。そうして花開いた美術を、クラシック様式の美術と呼んでいる。

クラシック美術を代表するのがパルテノンン神殿である。神殿は本来宗教施設であって、美術品ではないが、建築としての美しさとか、ペディメントなどに施された彫刻が、高い美術的な価値を誇っている。このパルテノン神殿は、もともとアテネのアクロポリスにたっていたものが、紀元前480年頃にペルシャによって破壊されていた。ペリクレスは、その古い建物を除却して、その跡地に新しいパルテノン神殿を建てたのである。

パルテノン神殿の建築に際しては、当時のギリシャ美術の第一人者フェイディアスが総指揮をとった。彼の指揮のもとで、イクティノスやカリクラテスなども加わり、紀元前448年から同432年にかけて、建築された。その美しい外観は、外側にドリス式の列柱、内部にイオニア式の列柱を連ね、いわゆるギリシャ風建築物の理想的な形態を演出している。



これは,パルテノン神殿東ペディメントにあった大理石像。左端の男性像は、酒神ディオニュソスとされている。



これも、パルテノン神殿東ペディメントにあった大理石像。左から、ヘスティア、ディオネー、アフロディーテーとされる。上の大理石像とともに、現在は大英博物館が保管している。




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