壺齋散人の 美術批評
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ミロのヴィーナス:ヘレニズム美術




ミロのヴィーナスは、1820年にエーゲ海のメロス(ミロ)島で、一農夫によって発見された。その後、オスマントルコ政府による没収を経て、フランス人の手にわたり、ルーブル美術館に収められた。東京に一度来たことがあるが、日本以外の外国に渡ったことは、ほかに一度もないという。

日本に来たときはすさまじいフィーバーが生じた。たしか国立西洋博物館に展示されたと思うが、その際には筆者も出かけて行って、人ごみに押しつぶされそうになった記憶がある。

この像には、それほどにも人を夢中にさせるものがあるのだろう。裸体のダイナミックな美しさはもとより、欠けた二本の腕までが、人々の想像力を刺激すると見え、この腕の復元イメージが、様々な人によって試みられている。それらのイメージのなかでは、左手で林檎を持っているというのが、有力である。



これは、上半身を拡大したもの。愛の女神にふさわしく、豊穣さを感じさせる肉体美である。(BC二世紀末)




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