壺齋散人の 美術批評
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金髪の天使:ロシア正教のイコン




「金髪の天使」と呼ばれるこのイコンは、1200年ごろに作られ、モスクワのウスペンスキー大聖堂に保存されていたもの。小さいイコン(48.8×38.8㎝)であり、個人的な崇拝の対象として作られたか、あるいはデイシスの一部だったのか、はっきりとはわからない。

イコンとしては、生き生きとしたその表情が印象的だ。金髪の額部分に宝石のようなものを飾り、小首をやや傾けたところは、天使というよりは少女を思わせる。しかしイコンに少女はありえないので、やはり天使と考えるべきだろう。

オレンジ系の色を、グリーンを背景に配しているので、補色の効果がよく現われ、天使の顔は浮き上がって見える。(サンクト・ペテルブルグ、ロシア美術館)




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