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聖母マリアと洗礼者ヨハネの間に救い主キリストがいるデイシス:ロシア正教のイコン




デイシスは嘆願という意味。聖母マリアや洗礼者ヨハネを始めとする聖人たちが、キリストに対してこの世の救済を求めるさまを描いているとされる。このイコンの場合には、聖母マリアと洗礼者ヨハネが、キリストを挟んで、人類の救済を嘆願しているわけだ。

この図柄は後の聖三位一体の先駆をなすものと考えることができる。聖三位一帯は、父と子と精霊の三者を描いたもので、嘆願とは意味が異なるが、三者を一列に並べるところは共通している。

キリストの表情は厳かである。この表情に、当時の皇帝の威厳を反映させているとする見方もある。




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