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ドンの聖母:ロシア正教のイコン




イコンのなかには、街を敵から守ったり人々に奇跡を示したとして崇拝されているものも多い。この「ドンの聖母」は、モンゴル軍との戦いにおいて、ロシア軍を勝利に導いたという伝説があり、永い間ロシア人の崇拝の対象となってきた。

その伝説によれば、1380年のドン河畔クリコヴォの戦いにおいて、モスクワ大公ドミトリー率いるロシア諸侯連合軍が、モンゴル人政権ジョチ・ウルスとそれに加担する諸侯の軍を破ったが、その際にこのイコンが先頭にたってロシア軍を勝利に導いたと言われる。

像そのものは、聖母マリアがキリストを抱いて頬ずりしているエレウサ型聖母である。このイコンは14世紀にフェオファン・グレクによって作られたとする見解もだされたことがあるが、現在ではその真実性は疑われている。





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