壺齋散人の美術批評 |
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テワナ衣装の自画像 フリーダ・カーロの世界 |
1942年にメキシコの国立彫刻学校が絵画と造形の専門学校に改組され、新しいタイプの授業が導入された。その専門学校にフリーダは、1943年からかかわるようになった。フリーダは、教師と生徒との関係を対等と位置づけ、自分をファーストネームで呼ばせた。背骨の不調をはじめ体調の悪化が重なったため、学校での授業が無理になり、彼女はコヨヤカンの自宅を教室にした。そのフリーダの授業からは何人かの芸術家が育ち、「ロス・フリードス」と呼ばれた。 「テワナ衣装の自画像あるいは私の思考の中のディゴあるいはディエゴを思う(Autorretrato con Tehuana o Diego en mi pensamiento o Pensado en Diego)」と題されたこの絵は、1940年に着手されたものだが、1943年に完成した。ディエゴとの新しい生活を記念したものと言われる。 ディエゴもフリーダとともに新しい造形学校の教授を務めたので、二人は芸術教育上の同僚であった。そんなディエゴへの思いがこの絵には込められている。フリーダの額にはディエゴのイメージが浮かんであり、これは彼女がしょっちゅうディエゴのことを考えていることをあらわしている。そのフリーダは、メキシコ南西部の民族衣装を着て、頭には葉っぱの飾り物をつけている。葉っぱの根元からは、細い根っこが蜘蛛の巣のように伸びている。 (1943年 メソナイトに油彩 76×61㎝ プライベート・コレクション) |
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