壺齋散人の美術批評 |
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髪をといた自画像 フリーダ・カーロの世界 |
フリーダは、1946年にニューヨークで脊椎の手術を受けた後、1950年にはメキシコで七回に及ぶ手術を受けている。手術は彼女の体を回復するには及ばず、1953には片足の切断という苦痛に直面した。彼女が死んだのは1954年、47歳のときであった。 「髪をといた自画像(Autorretrato con el pelo suelto)」と題されたこの絵は、ニューヨークでの手術が終わって一年ほど後のフリーダの様子を伝えている。フリーダは、ほかの多くの自画像とは異なり、髪をときほどいた姿でポーズをとっている。表情は穏やかで、ゆとりも感じさせる。フリーダのほどいた髪はディエゴが好んだというから、ディエゴとの普通の生活が戻ってくることを期待したのかもしれない。 画面下手の巻物には以下の文字が書かれている。"Aquí me pinté a mí misma, Frida Kahlo, con mi reflejo en el espejo. Tengo 37 años y estamos en julio de 1947. En Coyoacán, México, el lugar donde nací". (わたし、フリーダ・カーロの自画像、鏡に映った姿です。1947年の6月、わたしは37歳です。わたしが生まれた場所、メキシコのコヨヤカンにて) 実際には、彼女はこの時40歳だった。 (1947年 カンバスに油彩 61×45㎝ プライベート・コレクション) |
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