壺齋散人の 美術批評
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幼稚園の天使(Engel im Kindergarten):クレーの天使




この絵は、Engel im Kindergarten と題されているから、幼稚園にいる天使を描いたものだとわかる。天使自身が幼い子どものように描かれているので、人間の幼稚園の子どもたちといっしょにいるか、あるいは、天使の子どもたちのための幼稚園にいるか、そのどちらかなのだろう。

この天使は、首をこころもち斜めにして、左手を口元に寄せ、誰かに呼びかけているようにも見える。呼びかけている相手は、幼稚園にいるほかの子どもだろうか、それとも先生だろうか、

ほかの天使の絵もそうだが、この絵も、必要最小限の線によって表現されている。クレーは、最後まで線にこだわった画家だから、そういうところが、この天使の絵のシリーズには、集約的に現れているのかもしれない。





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