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ソールズベリー大聖堂(司教の庭から) コンスタブルの風景画 |
ソールズベリー大聖堂は、イギリスで最も古い教会の一つである。その司教ジョン・フィシャーと、コンスタブルは非常に懇意にしていた。「ソールズベリー大聖堂(司教の庭から Salisbury Cathedral from the Bishop's Grounds)」と題されたこの絵は、フィッシャーの依頼を受けて制作されたものである。 この大聖堂をモチーフにした作品はいくつかある。かれは1811年に、この聖堂をいくつかの視点からスケッチしていて、そのスケッチをもとにして油彩画を完成させた。この作品は、そのうちの司教の庭園から眺めた構図である。かれは、この構図をもとに絵を完成させるため、1820年にソールズベリーに赴いて、細部をチェックした。かれは後に、この絵の制作には非常に苦労したと語っている。 1823年のローヤル・アカデミー展に出品され、評判を呼んだ。今日ではコンスタブルの最高傑作の一つとされている。もっとも、注文したフィッシャー司教は、空が曇っているのが気に入らず、青空版のものを望んだ。コンスタブルはその希望にこたえて青空の多いバージョンを制作したが、その完成前にフィッシャーは死んだ。 (1823年 カンバスに油彩 87.6×111.8㎝ ロンドン、ヴィクトリア&アルバート博物館) |
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