壺齋散人の美術批評 |
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コーンフィールド コンスタブルの風景画 |
「コーンフィールド(Corn field)」と題されたこの絵は、サフォークでのスケッチにもとづいてロンドンで1826年に制作された。その年のアカデミー展に出品されたほか、翌年にはパリの展示会でも公開された。評判は悪くなかったが、買い手はつかなかった。 モチーフは、コンスタブルが少年時代に通学のため通った道である。その道はトアー川に沿っていて、彼の家のあるバーグホルトから学校のあるデダムにつながっていた。その道にかれは羊飼いの少年を配した。その少年に自分自身の子供のころを重ねたのであろう。 アカデミー展に出品した際には「真昼」という題をつけていた。その題名のとおり、真昼の暑さの中で、少年が水たまりの水を飲む様子を描く。例によって巨大な樹木を配し、空には大きな雲を描いている。樹木と雲はコンスタブルが生涯にわたってこだわったものだ。 (1826年 カンバスに油彩 143×122㎝ ロンドン、ナショナル・ギャラリー) |
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