壺齋散人の美術批評 |
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牧草地から見たソールズベリー聖堂 コンスタブルの風景画 |
コンスタブルは、ソールズベリー大聖堂をモチーフにした作品をいくつか制作している。「牧草地から見たソールズベリー聖堂(Salisbury Cathedral from the Meadows)」と題されたこの作品は、妻メアリーの死の三年後に制作したものである。ソールズベリー大聖堂は、彼らにとって思い出の深いものであった。 コンスタブルは後に、ジェイムズ・トムソンの詩「季節」から九行を説明文として加え、この作品の意図を語っている。それによれば、大きな虹は、愛する人の死についで起こった嵐がおさまったさいの希望をあらわすという。詩の中の愛人に妻メアリーを重ねたものと思われる。 その虹を背景として、画面中央に教会の建物が描かれ、前景にはトアー川とそれを囲む牧草地が描かれる。折からトアー川の浅瀬を馬車が渡っている。馬は風景画に色を添えるための格好のアイテムだった。 1831年のローヤル・アカデミー展に出品したが、その後もたびたび手を入れた。 (1831年 カンバスに油彩 153.7×192㎝ ロンドン、テート・ギャラリー) |
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