壺齋散人の美術批評 |
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ワイ川の眺め トーマス・ジョーンズの風景画 |
![]() 「ワイ川の眺め(View on the River Wye)」と題されたこの絵は、ジョーンズの故郷ウェールズの風景を描いたもの。モチーフのワイ川はウェールズの東部、イングランドとの境近くを流れる川である。この絵の構図は、モンマスの北側からの眺めという。 湖のように見えるのがワイ川である。遠景に山々が重なって見えることから、このあたりが変化に富んだ地形であることがわかる。手前はイングランドに近いところで、平坦な印象を受ける。師匠のウィルソンゆずりの画面構成~緑したたる樹木を中心にし、背景には山々を配する構図を意図的にとっている。 手前の二人の人物が、川の向こう側を眺めるという設定だ。一人は左手をあげてヨットを指さし、もう一人は杖によりかかりながら景色を眺めている。川の向かい側にそって、山のふもとに石造りの家がある。その煙突からは煙が上がっている。生活感にあふれた作品である。 (1776年頃 厚紙に油彩 45.7×60㎝ デンヴァー美術館) |
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