壺齋散人の 美術批評 |
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写真はP・ペスコー:ロートレックのポスター |
このポスターは、ロートレックの友人で写真スタジオを経営していたポール・ペスコーの依頼で作ったものだ。ロートレックは図柄だけ提供し、レタリングは別の専門家が担当した。レタリングの上の文字は、ペスコーの店の住所を表わしたものだ。ピガール広場は、パリ北部のクリニー通りにある。 暗幕に潜ってレンズの焦点を合わせている写真屋から、何故か女性の客が逃れ去ろうとしている。ペスコーは女たらしとして有名だったので、この女性はペスコーの誘惑から逃れようとしているのだ、という解釈がこの作品には加えられてきた。 右上に、鞭で豚を調教する裸の女が小さく描かれているが、これは三刷りから加わったものだ。このモチーフが何を意味するのかよくわからない。右下には、例の象のモチーフが、モノグラムとともに描き添えられている。 顔料は、マゼンタ、黄色、グリーン、ダークブルーの四色を使い、ごくシンプルに仕上げている。 (1894年 リトグラフ 60×80cm) |
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