壺齋散人の 美術批評
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祝福された人々:ミケランジェロ「最後の審判」




システィナ礼拝堂壁画「最後の審判」の上から三列目には、中央にラッパを吹く天使たちを描き、その左右に多くの人々を配置している。そのうち向かって左側は「祝福された人々」、右側は「呪われた人々」と解釈できる。というのも、イエスが天使たちにラッパを吹かせると、右手に(画面左側に)集まって来た人々に向かって「わたしの父(神)に祝福された人々よ」と呼びかけ、左手に集まって来た人々には「呪われた者どもよ」と呼びかけているからである(マタイ伝26章)。

左列の人々は、空中をただよい、その一部は天井に向かって上ってゆき、また天使によって雲の上に引き上げられている。



これは「祝福された人々」の部分の拡大図。天使の合図にひきつけられながら、雲の合間に頭を突っ込み、天上に上ろうとする人、また雲の上から手を延ばした天使の手にすがり付こうとする人、などが見える。





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