壺齋散人の 美術批評
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死者の復活:ミケランジェロ「最後の審判」




システィナ礼拝堂壁画「最後の審判」の最下列は、そのすぐ上の列と密接に対応している。即ち、左側については、上の列が祝福された人々を描いているのに対応して、下の列は復活した死者がイエス・キリストの呼びかけに応えて起き上がる場面を描いている。一方右側については、上の列でキリストから呪われた人々が、下の列では地獄へ引き渡される場面を描いている。

この絵の中の人々は、いま眠りから覚めて死の床から起き上がろうとしている。目覚めた人々には、生気のある人もいれば、まだ死の面影を引きずっている人もいる。中には骸骨のままの人もいる。これらの人々が自力で、あるいは天使に導かれて、キリストの前に移動しようとしている。天使に引き上げられようとする人を、悪魔が引きとめようとする光景も描かれる。

ダンテの神曲などでは、人は一旦死ぬと煉獄に移動し、そこで最後の審判を待つといわれるが、ミケランジェロは煉獄のイメージを表には出していない。死者が眠っていたところは、広漠とした荒野として描かれている。



画面右側は、死からよみがえった人を天使が引きあげようとするのを、悪魔が引きとどめようとしているところを描く。左側は、天使によって引き上げられようとしている人の足に蛇が巻きつき、やはり引きとどめようとしている有様を描く。





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