壺齋散人の 美術批評
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ルーアン大聖堂:モネの連作




1892年から翌年にかけて、モネはルーアン大聖堂を描いた一連の作品を制作した。とはいっても、現地で完成させたわけではなく、大まかに描いた後で、1894年にジヴェルニーのアトリエで完成させた。なおモネは、アリスの夫が1891年に死んだことで、その一年後に正式に彼女と結婚していた。

積みわらのときとは違って、全く同じ構図の絵柄を、季節の移り変わりごとに、太陽光線の効果に着目しながら描いたこれらの作品は、睡蓮の一連の作品と並んで、絵についてのモネのこだわりがもっともよく伝わって来るものである。

積みわらでもそうだったが、これら一連の作品も、太陽光線が醸し出す一瞬の印象を、そのままにカンバスに定着させようとするモネの意気込みを強く感じさせる。たくさん描かれた作品のうち、上の絵は、「朝の効果、白のハーモニー」と題するもので、朝の澄み切った光線の白っぽい色合いを捉えている。(1894年 カンバスに油彩 106×73㎝ パリ、オルセー美術館)



これは「揺れる陽光、青と金のハーモニー」と題する作品。青空を背景にして、塔が地肌の色をむき出しにして表現されている。(1894年 カンバスに油彩 107×73㎝ パリ、オルセー美術館)




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