壺齋散人の 美術批評
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睡蓮その一:モネ




最晩年のモネはもっぱら睡蓮を描いた。かれはジヴェルニーの家に、「水庭」と呼ばれる二つ目の庭園をつくり、そこに日本風の橋のかかった池を掘り、その池に睡蓮を植えたのだったが、睡蓮が成長して見事な眺めを呈するようになると、それを描くのを楽しみにしたものだった。その睡蓮の絵は、1890年代の後半から登場するが、1900年代になると、もっぱら睡蓮ばかり描くようになる。

上は「睡蓮の池」と題した1899年の作品。モネの睡蓮の絵としては、初期を代表する作品といってよい。池には日本風の橋がかかり、その下の水面に睡蓮が花を開いている。

モネはこの絵を描いた翌年の1900年に、十点ほどの睡蓮の絵をまとめて、リュエルの画廊に展示した。(1899年 カンバスに油彩 92.7×73.7㎝ ニューヨーク、メトロポリタン美術館)



これは「水に映された風景、雲」と題した1903年の作品。睡蓮が点々と花を開いた水面に、青空とそこに浮かぶ白い雲が映っている。(1903年 カンバスに油彩 74×106.5㎝ 個人蔵)




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