壺齋散人の 美術批評
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睡蓮その三:モネ




最晩年のモネは、睡蓮を巨大な画面に描き、それらを美術館の周囲の壁に展示して、人々がまるで睡蓮に囲まれているような気持ちになれることを望んだ。その望みはかなえられ、モネが描いた巨大な睡蓮は、クレマンソー大統領の計らいで、パリのオランジュリー美術館の壁を飾ることになった。今現在、モネの睡蓮の連作画は、二つの展示室にわけて八点が掲げられている。

これは第一室に掲げられた「雲」と題する作品。青空に浮かんだ白い雲の合間に睡蓮の花が点々と咲いている。それは、水面に反射したハーモニーなのだが、あたかも睡蓮が雲の合間に開いているような感じを与える。(1915-1926 カンバスに油彩 200×1275㎝ パリ、オランジュリー美術館)



これは第二室の「朝」と題する作品。四連画である。朝もやを通して見える水面に睡蓮がようやく花を開こうとするさまをとらえている。(1916-1926年 カンバスに油彩 200×1275㎝ パリ、オランジュリー美術館)



これも第二室の「朝、しだれ柳」と題する作品。ジヴェルニーの池にはしだれ柳を植えていたようで、モネはこの連作のほかの作品にもしだれ柳をいくつか描いている。(1915-1926年 カンバスに油彩 200×1275㎝ パリ、オランジュリー美術館)




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