壺齋散人の美術批評 |
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シャルダン夫人の肖像:シャルダンの肖像画 |
シャルダンは、晩年に肖像画を多く手掛けるようになる。それには視力が極端に低下したことが指摘されている。絵の具に含まれている金属類の影響らしい。そのため、写生が不如意になり、そのかわりとして肖像画に注力したようだ。その肖像画の多くをシャルダンは、油絵の具ではなく、パステルで描いた。パステルは油絵の具ほど有害ではないとされていかたらだ。 「シャルダン夫人の肖像(Madame Chardin)」と題されたこの作品は、シャルダンの二人目の妻フランソワーズを描いたもの。シャルダンはこれを、自身の自画像とセットにして、1975年のアカデミーのサロンに出展した。 フランソワーズは、裕福な未亡人だったところを、シャルダンに見込まれて結婚した。事務能力が高かったらしく、アカデミー会計官としての夫の仕事を助け、また、よき秘書でもあったらしい。 単純な構図の中に、女性の人柄がにじみ出てくるような精神性を感じさせる。 (1775年 紙にパステル 46×38㎝ パリ、ルーヴル美術館) |
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