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水浴する女たち:フラゴナールのロココ世界




「水浴する女たち(Les Baigneuses)」と題されたこの作品は、年期の記載がないが、イタリア留学から戻って間もないころの作品と思われる。絵の雰囲気が、イタリア留学後の作品「 コレシュスとカリロエ」によく似ている。

ただし、歴史画ではなく、また神話画でもない。日常のありふれた場面を描いたものである。だがそれにしては、女性たちは官能的に描かれており、また、生きる喜びを感じさせるものとなっている。

女性をこのように、理想化するところに、フラゴナールの生き方を見ることができる。フラゴナールは、ひたすら女性の美を追求した画家だったということができる。

(1765年頃 カンバスに油彩 88×103㎝ パリ、ルーヴル美術館)



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