壺齋散人の 美術批評 |
HOME | ブログ本館 | 東京を描く | 水彩画 | 日本の美術| プロフィール | 掲示板 |
コロー「ドゥーエーの鐘楼」:バルビゾン派の画家たち |
ドゥーエーは、フランス北部のノール県にある古い町。巨人伝説で知られ、その巨人の祭りは世界的に有名だそうだ。そこに住んでいた友人アルフレド・ロボーを、コローは1971年に訪ね、しばらくそこに滞在して、「ドゥーエーの鐘楼(Le Beffroi de Douai)」を描いた。二週間で完成させたという。 丁度普仏戦争とそれに続くパリコミューンの内乱で、パリは混乱を極めていたので、コローはそれを逃れる意味で、ドゥーエーへ退避したのだと思われる。 鐘楼はドゥーエーの町のシンボルだ。これを描く老人の姿は、色々な人に目撃された。コローはこの作品に自信があったようで、パリの友人にあてた手紙の中で、その自信を披露している。 自然の風景を描き続けたコローとしては、都市のたたずまいを描いた傑作である。 (1971年 カンバスに油彩 46・5×38.5cm パリ、ルーヴル美術館) |
HOME | バルビゾン派 | 次へ |
作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2011-2021 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |